進捗報告の書き方|上司が知りたいのは「進捗率」だけではない
「進捗報告に何を書けばいいのか分からない」
プロジェクトに参加していると、一度はこんな経験があるのではないでしょうか。
会社指定のテンプレートはある。
進捗率、課題、今後の予定などの欄もある。
しかし、その欄を埋めただけでは、必ずしも「良い進捗報告」にはなりません。
進捗報告で重要なのは、テンプレートを正しく埋めることではなく、読む人が状況を把握し、必要な判断や行動を取れることです。
今回は、私自身がメンバー、チームリーダー、そして管理する側を経験してきて分かった「伝わる進捗報告の考え方」を整理します。
進捗報告で最初に考えるべきこと
初めてチームリーダーになったとき、私は進捗報告をどう作ればいいのか分かりませんでした。
そこで、隣のチームリーダーに聞きました。
「進捗報告のテンプレート、あります?」
するとテンプレートを渡してくれたあと、こう言われました。
「こんなの何でもいいんだよ」
しかし、私が本当に知りたかったのはテンプレートではありませんでした。
「上司は進捗報告を見て、何を確認したいのか?」
こちらです。
そこで、上司本人に聞くことにしました。
「進捗報告では、何を確認したいですか?」
今振り返っても、これが最も確実な方法だったと思います。
進捗報告を書くときは、まず「何を書くか」ではなく、「誰が、何を知るために読むのか」から考えた方がよいのです。
進捗報告で伝えるべき5つのポイント
プロジェクトによって必要な情報は異なりますが、基本的には次の5点を押さえておくと、状況を把握しやすくなります。
| 確認ポイント | 伝える内容 |
|---|---|
| ① 現在地 | 現在どこまで進んでいるか |
| ② 計画との差 | 予定どおりか、先行・遅延しているか |
| ③ 問題・リスク | 進行を妨げているもの、今後問題になりそうなもの |
| ④ 次のアクション | 次に何をするのか、誰がいつまでに行うのか |
| ⑤ 判断・支援 | 上司や関係者に決めてほしいこと、助けてほしいこと |
特に見落とされやすいのが、⑤です。
たとえば、
「A機能の開発は80%完了しています」
だけでは、読む側は「それで私は何をすればいいの?」となります。
一方、
「A機能は80%完了。ただし外部仕様の確定が3日遅れており、このままだと来週のテスト開始に影響します。水曜日までに仕様A/Bのどちらを採用するか決定が必要です」
なら、読む側は次に何をすべきか分かります。
進捗報告は、状況説明だけでなく、次の行動につなげるための情報でもあります。
「色」「フォント」「書式」はどうでもいいのか?
私には、逆の経験もあります。
あるプロジェクトで進捗報告を提出すると、
「ここは青」
「ここは赤」
「文字はこの大きさ」
と、書式について細かく指摘されました。
当時は、
「いや、内容を見ようよ」
と思っていました。
ところが、自分が複数のチームを管理する立場になると、考えが少し変わりました。
書式も大事です。
10チームから10種類の形式で報告が上がってきたら、重要な情報を探すだけでも時間がかかります。
そこで私自身も、色やレイアウト、記載位置などについて一定のルールを設けるようになりました。
重要なのは、その目的です。
書式を統一するのは、必要な情報を素早く理解・比較できるようにするため。
書式を守ること自体が目的になってしまったら、本末転倒です。
悪い進捗報告と良い進捗報告
たとえば、こんな報告があったとします。
悪い例
開発は予定どおり進んでいます。
現在の進捗率は80%です。
引き続き開発を進めます。
間違ったことは書いてありません。
しかし、これだけでは状況がよく分かりません。
では、少し変えてみます。
良い例
開発進捗80%。計画比+2%で予定どおりです。
残作業は結合テストと不具合対応です。
現時点で重大な課題はありません。
10月10日までに結合テストを完了予定です。
さらに問題がある場合なら、
開発進捗80%。計画比-5%です。
外部仕様の確定が3日遅れていることが原因です。
現状のままでは結合テスト開始が2日遅れる見込みです。
10月3日までに仕様A/Bの選択をお願いします。
と書けば、必要な判断まで明確になります。
同じ「進捗80%」でも、報告としての情報量はまったく違います。
進捗報告を書く前に、この質問をする
テンプレートを前にして何を書けばいいか迷ったら、いきなり欄を埋め始める必要はありません。
まず、
「この報告を読む人は、何を知りたいのだろう?」
と考えてみてください。
それでも分からなければ、上司やプロジェクトマネージャーに聞けばいいのです。
「進捗報告では、特に何を確認したいですか?」
この一言だけで、報告書の作り方がかなり変わるはずです。
テンプレートは、あくまで情報を伝えるための「器」です。
大切なのは、その中に相手が状況を理解し、次の判断や行動ができる情報が入っていることです。

