
連続で、ソニー関連のお話です。
私は長年ソニーのテレビやBlu-rayレコーダーを使ってきました。
その中でも特に便利だったのが、「Video & TV SideView」 というアプリです。
録画した番組を外出先から視聴できたり、事前に端末にダウンロードしてオフラインで楽しめたり、、、。まさに「テレビを家から持ち出す」ような体験を可能にしてくれる、欠かせない存在でした。
ところが、この便利なアプリが2027年3月でサービス終了となるようです。
なぜ終了するのか?
ソニーは「事業環境の変化」などを理由に挙げていますが、具体的な数字は公表されていません。
背景には以下のような要因があると考えられます。
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配信サービス(NetflixやAmazon Prime Videoなど)の普及で、録画番組を持ち出すスタイルの需要が減った
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スマホアプリやサーバー維持、著作権管理などのコストがかかる
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古い機器にも幅広く対応しており、サポート負担が大きかった
合理的といえば合理的です。
それでも「配信」と「録画」は違う
ただし、ここが重要です。
配信サービスの利用者と、録画番組を楽しむ利用者は同じでは無いと、私は考えます。
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配信派:最新映画や海外ドラマをサブスクで観たい人
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録画派:スポーツ、バラエティ、ニュース特番など“その時の番組”を録って後から観たい人
両者のライフスタイルは異なると思うのです。
「録画しておいて自分のペースで観る」文化は、配信がどれだけ普及してもなくならないと思うのです。
録画派の“所有欲”
さらに、録画派の人には独特の嗜好があります。
それは、「番組を自分のものにしたい」 という気持ちです。
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HDDに録画した番組を整理して“自分のライブラリ”を作る
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空のDVDやBlu-rayディスクに焼いて保存する
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何度も見返して、好きな番組を自分の生活の一部にする
これは配信では得られない体験です。配信は権利が切れれば消えますが、録画は自分の手元に残せます。
この嗜好は一定数、確実に存在していて、SideViewはその欲求を「外出先でも楽しめる」形で支えてきました。
Blu-rayデッキにとってのマイナス
SideViewがなくなることで:
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外出先からの視聴や予約ができなくなる
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持ち出して見る便利さが失われる
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若い世代にとってはレコーダーの魅力が薄れる
つまり、Blu-rayデッキ自体の付加価値を削いでしまうリスクがあります。
Xperiaへの付加価値にできなかったのか?
ここで思うのは、全部をやめるのではなく「Xperiaユーザー限定」で継続できなかったのかということです。
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Xperiaなら録画番組を外出先で視聴できる
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Xperiaだけがオフライン転送に対応する
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「テレビ×スマホ」というソニーならではの体験を提供できる
もしそうなっていたら、Xperiaの差別化に直結したと思うのです。どうでしょうか??
結びに
Video & TV SideView の終了は残念ですが、これは単なるコスト削減ではなく、録画文化そのものの価値をどう扱うのかという問いでもあると思います。
配信と録画は競合するものではなく、異なるニーズに応えてきたと思うのです。
そして録画派には「番組を自分のものにしたい」という所有欲がある。
SideViewはその延長線上にあった、貴重なサービスでした。
だからこそ私は、Blu-rayデッキやXperiaを愛用する一人のお客として、こう思います。
この文化を簡単に終わらせてしまうのではなく、ソニーの強みとして生かし続けてほしい。
この思い、ソニーさんに届くかな?