
もう言いたいことが止まらなくなってきました(笑)。また、ソニー製品についてのコメントです。
ソニーはこれまで、スマートウォッチやスマートバンドをいくつか世に送り出してきました。私もいくつか購入してきています。
しかし、Apple Watch や Galaxy Watch のように市場を席巻することはできませんでした。
その後、「時計のベルト部分にスマート機能を内蔵する」という斬新な発想で登場したのが wena シリーズ です。私はこのアイデアこそソニーらしい挑戦だと思っています。
けれども残念ながら、現在wenaの販売は終了しています。さらに、2026年2月にはアプリサービスも終了予定であり、事実上シリーズは終息になっているようです。
しかし私は強く言いたい。wenaには絶対にニーズがあるのです。
wenaでできること
公式情報を見ても、wenaにはユニークで実用的な機能が備わっていました。
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電子マネー機能:FeliCa搭載。Suicaや楽天Edyなど複数のサービスに対応し、45万店舗以上で利用可能。
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通知機能:着信やアプリ通知をバンドのディスプレイに表示。本文の一部まで確認でき、振動で気付ける。
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活動ログ:GPS+心拍センサーによる距離・速度・歩数・心拍数の計測、睡眠状態の推定。
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スマートアラーム:睡眠サイクルを解析し、快適なタイミングで起こしてくれる。
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ヘッドの取り外し:時計のフェイス部分を外し、バンド単体でスマートバンドのように使用可能。
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電池持ち:条件付きで最大約1週間。GPSアクティブ使用時は約8時間など、利用シーンに応じた持続。
こうして並べると、wenaは“単なる通知バンド”以上に充実した機能を備えていたことが分かります。
アナログ時計を付けたい人のニーズ
Apple Watch や Galaxy Watch の四角いフェイスでは満足できず、「やっぱりCITIZENやSEIKOの文字盤が好き」「アナログの針が動く美しさに惹かれる」という人は少なくありません。
wenaは、そんな人たちにこそ答えられる存在でした。お気に入りの盤面を付けながら、スマート機能を享受できたのです。
高級時計ユーザーへの可能性
さらに注目したいのは、ロレックスやオメガといった高級時計を愛用する層です。
彼らにとって時計は資産でありステータスで、Apple Watch に乗り換える選択肢はまずありません。
しかし「最低限の便利さ(通知やキャッシュレス決済)が欲しい」というニーズは確かにある。
そこでwenaは、高級時計を守りながらデジタル機能を後付けできる唯一のソリューションになり得たのです。
wenaに足りなかったもの──ソニー内の連携
wenaは斬新な製品でしたが、ソニーが持つ他の強力な事業との連携は限定的で、十分に活かされていなかったように思います。
例えば:
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Xperiaとの深い連動:通知だけでなく、例えば、カメラのリモート操作や音楽アプリのコントロールといった他のアプリとの連動が出来たなら、さらに魅力的だったはず。
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ソニー銀行との統合:ワンタイムパスワードをwenaの小型ディスプレイに表示できれば、セキュリティと利便性が一気に高まる。
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ソニー生命・損保との融合:健康データを活かしたサービス展開。
こうした連携があれば、「wena=ソニー全体の入り口」となり、単なるガジェットではなく“ソニー体験のハブ”になれたのではないか、と想像します。
wenaが生き残るために
wenaが終息してしまったのは惜しすぎます。もし生き残る道があったとすれば、次のような戦略ではなかったでしょうか。
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時計メーカーとの協業
SEIKOやCITIZENと提携し、「公式スマートベルト」として展開する。 -
高級時計市場への展開
ロレックスやオメガを愛用する層に「資産価値を守りつつ便利さを追加する」選択肢を提供。 -
機能を絞り込む戦略
通知・決済・活動計測など最低限に絞ることで軽量・長寿命を実現。 -
ソニー事業との統合強化
Xperiaや金融事業と組み合わせ、ソニー全体の価値を引き出す。
結びに
wenaはすでに販売を終了し、アプリサービスも終了予定です。
完全に終息したわけではありませんが、その未来は限られていると考えざるを得ません。
それでも私は、アナログ時計を愛する層、高級時計を大切にする層にとって、wenaは唯一無二の存在だったと信じています。
そして、もしソニーが自社の多彩な事業とwenaを結びつけていれば、この製品はまだまだ進化できたはずです。
──ソニー大好きな1人のお客としての意見でしたが、ソニーさんに届くかな?